JBLファイナル⑤

キックオフ

ここまで来たら行くっきゃない!日ごとにテンションが上がってきています。

とはいえ、今日は職場(大学)の卒業式があったりしたわけです。春休み期間中で、しばらく人気のなかった校舎には、華やかなの袴姿のお嬢さんたちがいっぱい(男子もいましたが、やっぱり卒業式の主役は女子ですね)。幸い、雨も降らなかったし、毎回この光景は見るたびに、こちらも嬉しい気分にさせてくれるのです。皆さん、今後も健やかにお過ごしくだされ。
卒業式の後片付けがあらかた済んだ16時ころから気もそぞろに。17時30分の終業と同時にダッシュで会場へ。ああ、ついに一人っきりでも構わず、観に行っちゃうような人になってしまいました。昨日と同じくらいの時間に着いたはずなんですが、そこはやっぱりファイナル・オブ・ファイナル。全く出足が違いました。アリーナ指定席は、私の番でわずかな残席のみという厳しい状態でしたが、「連れなし」という状況がかえって幸いし、何とかいい席を確保できました。

試合結果は、ご存知のとおり、【アイシン 73● ― 東芝 75○】で東芝の勝利&優勝決定です。…なんていうか、本当にすごかったです。期待通りの大接戦になり、抜きつ抜かれつの展開で、最後の最後までどうなるか、本当に分からなかった。「勝負の綾」というものを存分に堪能させていただきました。バスケットがこんなにも人間臭い競技だとは知らなかったです。脱帽!
試合展開そのものについては、もうBS-1のTV放送も終わっていて、JBLのオフィシャルサイトにも詳しくアップされていることだし、割愛。だいたい私みたいなド素人は、書けば書くほどボロが出てくるので、個人的に感じたことなどを列挙したいと思います。
まず、今回のファイナル5戦連続観戦を通じて、「男は30代から」という認識が、新たに私の脳内にインプットされました。双方、30代の選手が中心メンバーのチーム。こういった大一番において、彼らの落ち着きといおうか、安定感は、交代で出てくる20代の選手たちのそれとは明らかに違っているように思えました。私はどうしてもサッカーと比べてしまうのですが、あちらは、やっぱり20代の選手たちが主軸(例外はもちろんありますが)。でも、バスケは20代の選手はやっぱりまだまだ磨かれていないな、という印象を持たざるをえないです。若手のプレイング・タイムが圧倒的に少ないというのもあるかもしれませんが、バスケットというスポーツがこんなにも経験が必要とされるものであるならば、観ている方としては、先々まで楽しみがあっていいなぁ、と感じました。

本日の第5戦における最大のアクシデントは、2Qラストにあったアイシン#2 佐古賢一の負傷&退場。チームの大黒柱である彼を欠いたことで、勝負が決まってしまったとは、決して思いたくはないのですが、ドラマチックな展開にただビックリ。3Q開始前、佐古に代わってPGに入った#5 佐藤信長と東芝PGの#8 節政貴弘の会話(全て観ていた私の妄想ですが)に、個人的にしびれました。
節「佐古さんの具合、どう?(←中央大学の後輩なんです)」
信「ああ、今日はもう無理だな、奥で手当て受けてるよ」
節「そっか…、ま、お互い頑張ろうぜ!」
信「おお、よろしくな」
なーんてね。でも、本当にそんな会話だったんじゃないかと思います。私はそれを観た瞬間に「ああ、佐古は今日無理なんだな」と悟りました。ただ、アイシンが凄かったのは、そんな状況に直面しても表面的に動揺が全く見られず、リラックスしたムードをベンチでも維持し続け、熱くなりすぎるでもなく、気落ちするでもなく、勝利へのモチベーションを強く保ち続けられたことだと思います。これはすごいと思いました。佐古は4Qから痛々しいテーピング姿で、ベンチに復帰しました。それまでは選手通路の奥からずっと試合を眺めていて、「今、彼は一体何を考えているのだろう」と考えると、こちらも切ない気分になりました。

「こいつにあずけときゃ何とかなる」という感じで、めちゃくちゃ頼りにされていた東芝#6 トム・クラインシュミットとアイシン#32 ジェイアール・ヘンダーソン。彼らの出来・不出来が、ダイレクトに試合展開に反映されていました。トムは周囲のことにも気を配り、時には若手に指導を加えながら、チームを支えていました。ヘンダーソンは、天才だけどやんちゃなタイプで、我が道を行っている所が、観ていて楽しかった。

とにかく、いろいろ他にも思うところはあるのですが、やっぱり書き尽くせません。わずか2点差で優勝を手中にした東芝が歓喜に飲み込まれているのに対して、「敗者」となったアイシンはさすがに悄然とした雰囲気。

お互い本当にすばらしかったのに、両極端に別れてしまったこの場面。残酷だけれど、これが「勝負」ってモノなんですね。

しばらくの後、会場は表彰式へ。運営スタッフの方、飛んだり跳ねたりチャーミングな魅力全開で会場を盛り上げたチアの皆さん、そしてもちろん選手の皆さん、本当に楽しい5日間をありがとうございました。
何事にも面倒くさがりで、出不精の私が、これほど「一人だろうがなんだろうが、行ってやる!」と思わずには居られなかったことって、過去にあったのかな。会場が職場と自宅の中間あたりに位置しているというのもありましたが、やっぱり特筆すべきことだったのかもしれません。
来シーズン、実はいろいろな問題が日本の男子バスケリーグにはあるようです。ですが、変わらず、いい試合が観られることを期待しております。絶対にまた観に行きます。

とりあえずは、お疲れさまでした。